Benri-navi by myhurt
アフターダーク
- この本の著作者 :
- 村上春樹
- 2006.
- 11.
- 11
- (Sat)
- 12:00
読むのは二度目。
主人公の女の子が、眠り続ける姉の事を気に病み、家に居るのが辛くなり、一晩、夜の街のファミレスで夜明かしをする事にする。
その、一晩の出来事が綴ってある。
主人公の女の子が、とある出来事にまきこまれ、様々な人々と出会い、そして、語り合う。
語り合ううちに、気持ちが整理されて行き、兆しが見えてくる。
そんなストーリー。
こちらの小説は、冒頭のファミレスの店内描写の文章が、村上春樹らしく無いのである。
村上春樹独特の比喩がくどくなく、なにかしら、軽やかなのだ。
村上春樹ファンならば、あのくどさが良いのだろうけれどもね。
こちらの小説は、たぶん、十代の若者向けとして意識して書いたのだろう。
非常に読みやすい文章で書かれてある。
各所に流れる音楽も、いつもの渋いクラシックやJAZZでは無く、ポピュラーな音楽だ。ファミレスだからね。
しかし、主人公の女の子を導くトロンボーン吹きの男の子は、JAZZの名曲『Five Spot After Dark』に魅せられて、トロンボーンを始めた、という設定だ。
この男の子は、この一晩の最初と最後、そして合い間にも登場するのだが、その役柄は重要。
彼の登場によって、出来事や語り合った事について、もう一度考え整理する機会が与えられたたのだから。
夜の街は危険にあふれているという事、自分の居る世界は犯罪と隣り合わせなのだという事、人の心は脆くて危ういものだという事。
思い込みや思い違い。
柔軟な心を持ち、「ゆっくり歩き、たくさん水を飲む」。
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アルゼンチンババア
- この本の著作者 :
- よしもとばなな
- 2006.
- 10.
- 16
- (Mon)
- 12:42
この小説にも、よしもとばななの小説には度々登場する、ひどく荒れて汚い部屋に住んでいて、どこか突き抜けたすばらしい感性を持った人物が登場する。
それが、アルゼンチンババアだ。
そして、近寄るのもはばかられるような人物の中にも、すばらしい長所(?)を見出し、受け入れて行く主人公。
良くも悪くも、いつものパターンを外さず終わる。
残念ながら、少々物足りなさが残った。
この人の書く小説に出てくる主人公は、毎度ながら、幾多の困難や事柄を「あるがままに」静かに受け入れて行く。
受け入れた事で不本意ながら振り回されるような事も無い。
静かで透明。まっすぐな心。潔さ。
理屈や世間一般の常識といった事柄との折り合いは、どのようにつけているのか?というツッコミは不可(w
「困難に立ち向かう勇気」を得るエネルギーをも失ってしまった時にでも、よしもとばななの小説を読んでみてはどうだろう?
おかしな気負いから開放されて、別な方向からの良いアプローチを思いつくかもしれないなあ。
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海辺のカフカ
- この本の著作者 :
- 村上春樹
- 2006.
- 10.
- 01
- (Sun)
- 23:51
読むのは2回目。
また、ナカタさんや星野さんに会いたくなる。
もちろん、田村カフカくんや大島さんにもだ。
この小説には、今まで村上春樹の小説にはけっして登場して来なかったタイプの、キャラクターを持つ人物が登場する。
村上春樹の小説には、ストイックでクレバーな、そして、パーソナルスペースが広そうな人々が多く登場する、というイメージを持っていたので、意外だった。珍しい。
アイロンで美しく白く糊の効いたパリっとしたYシャツのような、村上春樹の小説が好みの方には、受け入れられない何かがあるかもしれない。
というような印象を、初回に読んだ時に受けた。
が、しかし、2回目になると、やはり、村上春樹じゃないか!
裏切られてはいない。
むしろ、深い味わいと奥行きを感じられる。
物事を右から左へ流すように、忙しい毎日を送ってふと立ち止まるような事があったら、また、読み返すかもしれないなぁ。
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